Sculptris Proを使ってる方、そのモデル、非対称です。
前提として、以下のような作業フローをしている方限定のお話です。
- Sculptris Proを使っている
- グローバル座標のセンターに、キャラクターやクリーチャーを置いて作業している
- Symmetry:ONで、左右対称なキャラを作っている
- Local Symmetryも基本的にON
- ハイポリを練ってから、それを元にZremesherなどでローポリ原型を作っている
このフローの方は、作業時間が積み重なるほど、
モデルの重心がグローバルに対して狂って行き、
ローポリ作成段階で、モデル自体が中心から僅かにズレた状態になっている可能性があります。
先に結論:--------------------
見た目でズレを感じなくとも、Zremesherなどで仕上げをする際は、
Local SymmetryはOFFにする!
以下読み物--------------------
Local Symmetry、便利ですよね。
Gizmoやトランスポーズラインを使って、手首をちょっと大きくしたいときとか、顔を整えるときとか、
移動や拡大の動作としてより直感的なのは、この機能がONのときだと思います。
Sculptris Proもこれまた便利です。
外形をザクザク作っていく時やディテールを煮詰めたいときなど、
ポリゴンというものを気にせず、自由に粘土をこねることができます。
(例えば、snakehookブラシなどは、Sculptris Proのあるなしでは、別物と言っていいほど挙動が違いますよね。)
ここでSculptris Proの癖なのですが、完全な左右対称モデルで使っていても、
時折左右でごく僅かに違うトポロジが発生する場合があります。
(コンピュータの演算というものがアナログデータを扱えない以上、
小数点以下でどうしても丸め誤差が発生することがあり、それが微細な非対称性になってしまうそうです。)
ZBrushは、ブラシの位置のミラーリングにより左右対称編集をしているようで、
トポロジ自体が違っていても、モデルの位置さえあっていれば、
何の問題もなくシンメトリー編集をし続けることができてしまいます。
故に、通常ビューでの目視やブラシのフィーリングから、
トポロジが非対称になってしまったか判別するのは、ほぼ不可能だと思います。
(トポロジをほとんど気にしなくて良い、これはZBrushの良さそのものでもあります)
そんなわけでSculptrisProで自由にコネコネされたモデルは、
見た目は完全なシンメトリでも、モデルの重心がグローバルのセンターからほぼ確実にズレています。
この僅かに左右違うトポロジが発生した状態で、
Local SymmetryがONのまま、Zremesherなんかを掛けてしまうと、
晴れてズレたモデルの完成となります。
(Local SymmetryがONのZremesherは、
モデルの重心に対しての左半分でシンメトリ処理を行うので、
ここで僅かにグローバルのセンターからモデルそのものがズレます)
見た目のトポロジがシンメトリなので、そのまま気づかず細分化して、
ハイポリの投影なんかしてしまうともう気づくことはできないでしょう。
投影でモデルの僅かなズレは補正されますので、モデルの見た目としては再びシンメトリに落ち着きます。
見た目はシンメトリでいいんだから、トポロジが全体的にちょっとズレてくるらいで何が悪い?と言う話ですが、
他のソフトに持っていったときに、トポロジではなく、座標でシンメトリを扱うタイプの処理が挟まれたりすると
具合が悪くなったりするわけです。
なので、
>見た目でズレを感じなくとも、Zremesherなどでシンメトリ仕上げをする際は、
>Local SymmetryはOFFにすると良い!
というお話でした。